サステナブルな旅をしよう! いの町 紙の博物館

サステナブルな旅をしよう! いの町 紙の博物館

「サステナブル」という言葉を最近よく耳にするようになりました。一般的には「持続可能な」と訳され、もう少し分かりやすく言うと「ずっと続けていけること」となります。
仁淀川流域の6市町村には、1000年続く土佐和紙文化や、植物学者・牧野富太郎博士が愛した山、もちろん仁淀ブルーを満喫するアクティビティなど、他にもたくさんの体験プランがあります。

そのどれもが自然の恩恵をうけて成り立っているものばかりです。そして、そこには長い時間をかけて育まれた文化や自然を守りながら、魅力を伝え、残そうとしている人たちがいます。旅での出会いや体験を通して、持続可能な未来に少しだけ目を向けてみませんか。

清流 仁淀川が育んだ 世界に誇る土佐和紙の歴史

福井の「越前和紙」、岐阜の「美濃和紙」と並び、日本三大和紙産地のひとつとされる「土佐和紙」。その歴史は1000年以上と古く、良質な石灰や楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの原料が豊富にとれたことと、製紙に欠かせない清流に恵まれたことが「土佐和紙」発展の理由といわれています。

現在も、いの町やお隣の土佐市には多くの和紙工房が残り、丁寧な手仕事が受け継がれています。「いの町 紙の博物館」では、和紙や土佐和紙の変遷をたどりながら、これまで和紙がどのように使われ、どのような役割を果たしてきたのかを知ることができます。

御年87歳、紙漉き職人歴68年の友草喜美枝さんの見事な簀桁(すげた)さばきも必見。体験室では、紙漉き体験が可能です。

-----------土佐和紙の歴史

土佐和紙が記された最古の記録は、平安時代に編纂された「延喜式」の中に、国に紙を納めた産地国として土佐の名前が登場するのがはじめと言われています。江戸時代に、土佐藩から将軍家へ献上されたことで土佐和紙の名は広く知られるようになりました。

その後、「土佐和紙業界の恩人」「紙聖」と呼ばれた吉井源太により、大型簀桁(すけた)が考案され土佐和紙は品質を損なうことなく大幅に生産効率をあげます。さらに、美濃和紙に改良を重ねた「土佐典具帖紙」(とさてんぐじょうし)がアメリカの博覧会で受賞し、タイプライター用紙として欧米諸国に輸出され始め、いの町は「紙の町」として発展を迎えます。

現在、「土佐典具帖紙」(とさてんぐじょうし)は博物館や寺社、海外での古文書修復などに用いられ高い評価を得ています。また、その品質の良さから、「土佐典具帖紙」は1973年に国の無形文化財に、土佐和紙全体としては1976年に伝統的工芸品に指定されました。

-----------職人さんの仕事を間近で見学

博物館内の体験室では、実際に職人さんが紙を漉く仕事風景を見学することができます。

長年、こちらで紙漉きの実演をされているのが友草喜美枝さん。ニコニコと終始笑顔を絶やさない友草さんの仕事ぶりを見ていると、こちらまで楽しくなります。動きには一切の無駄がなく、なんだか紙漉きが簡単なことのように見えるから不思議です。

今年で87歳、19歳で嫁ぎ、お姑さんに典具帖紙の漉き方を習いながら3人の子を育て上げました。友草さんが紙漉きを休んだのは、お産の際の33日だけなのだそう。

「あと1枚だけ漉くけど、まだ写真撮る?」なんてこちらに気を使ってくださる余裕も。気遣いに溢れた友草さんが漉く温かな和紙は博物館で購入できます。

博物館併設のショップでは、職人さんごとに棚が設置され、それぞれの方が漉いた和紙を1枚から購入することができます。

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【いの町 紙の博物館】
(住所)高知県吾川郡いの町幸町110−1
(電話) 088-893-0886
(開館時間)9:00~17:00
(休み)月曜(月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館)
(入館料)大人500円、小中高生100円

いの町 紙の博物館での紙漉き体験はこちら
https://kamihaku.com/experience
https://www.jalan.net/kankou/spt_39386aa1032026129/activity/l00001CE65/

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