サステナブルな旅をしよう! 和悠香LABO 岡村 征治さん

サステナブルな旅をしよう! 和悠香LABO 岡村 征治さん

「サステナブル」という言葉を最近よく耳にするようになりました。一般的には「持続可能な」と訳され、もう少し分かりやすく言うと「ずっと続けていけること」となります。
仁淀川流域の6市町村には、1000年続く土佐和紙文化や、植物学者・牧野富太郎博士が愛した山、もちろん仁淀ブルーを満喫するアクティビティなど、他にもたくさんの体験プランがあります。

そのどれもが自然の恩恵をうけて成り立っているものばかりです。そして、そこには長い時間をかけて育まれた文化や自然を守りながら、魅力を伝え、残そうとしている人たちがいます。旅での出会いや体験を通して、持続可能な未来に少しだけ目を向けてみませんか。

豊かな恵みをフル活用 Made in 高知の香りを世界へ

高知県の内陸に位置し、村全域が仁淀川およびその支流の流域となる日高村は、農業と林業が盛んなエリア。美味しいトマトの産地としても有名です。

そんな日高村で悠々と流れる仁淀川を見下ろす場所に、香りで村を元気にしようと挑戦を始めた工房があります。

「和悠香 LABO」代表の岡村 征治さんが作る精油は、材料、水、燃料に至るまで使われるもの全てが高知のもの。そのサステナブルな循環と新規事業への思いを伺いました。

(岡村さん)出身は京都で、インターネットの黎明期から一貫して通信畑で仕事をしてきました。まだ、ITという言葉すらなかった時代、今では当たり前になっているサービスやプロジェクトの立ち上げに多く関わってきました。

その後、縁あって高知県内で発電や農業に関わり、通信の力で生活や仕事を豊かに便利にするお手伝いをしてきました。


(岡村さん)そんな僕が日高村で精油を作ることになったのは、高知でお世話になった方々への恩返しがしたかったからです。

そして、これから新しいことを立ち上げるならやっぱり「サステナブル」というキーワードは外せないと考えていました。場所を探す中でこの仁淀川を見て「ここだ!」と思いました。

農業や林業の方とお話をしていると、必ず商品にならずに廃棄される果物や作物、間伐材の問題を耳にします。それを解決するためにできることは何だろう?と考えた時に、精油なら捨てるものを利用して5次産業にする仕組みが作れるのではないかと思いました。

僕の頭の中でパズルのピースがパチンとハマった音がした瞬間でした。

(岡村さん)そこから1年程京都で勉強をさせてもらい、ここに工房を開きました。水は動力を使わず山の水を流圧だけで汲み、燃料は地元の皆さんが要らなくなった間伐材や建築廃材をもってきてくれます。

高知らしく、ユズ、ブンタン、ダイダイ、コナツ、ハッサク、青ゆず、シークワーサーなど、柑橘だけでもたくさんの種類があります。他にも、クロモジ、スギ、マキ、ヒノキ、山椒など現在では、40種類の精油を作っていて、全て高知のものを使ったサステナブルな精油です。

--------一人で立ち上げた事業、苦労はありますか?

(岡村さん)地元の皆さんには本当に良くしていただいているし、感謝していますが、目下の悩みは一緒にこの事業をやる人がいないこと。そこが、都会とは決定的に違うなと感じています。

誰かと一緒にワクワクを共有することができればそれが原動力になるんですけどね…。

(岡村さん)日本製の精油は少量生産で現状「お土産」の枠からなかなか脱却できていないように思います。

最近の高級なホテルでは、フロアごとに香りが違うなど、「香り」もお客様へのサービスとして捉えつつあります。高知なら柑橘、その土地の香りを利用したサービスって背景があるし物語があるでしょ。その物語をどこまで意識してもらえるか、それがこれから本格的に力をいれてやっていかなければならないことだと思っています。

(岡村さん)今、高知のものを使って精油を作っていますが、僕はオイルを作りにここに来たわけではなく、日高村にカルチャーを作りにきたと思っています。

地元のもので新しい商品を作り、それをストーリーと共に販売する。この淀みない循環をリアリティをもって説明ができることが大切だと思っています。「香りで5次産業」そのモデルケースになりたいんです。

(岡村さん)極端だと言われるかもしれませんが、日高村を日本のGrasse(フランスの香水産業で有名な都市)にしたいし、できると思っています。もし、香りで町おこしが出来たらここに住む子供達に希望とプライドをもってもらうことができる。自分の故郷にプライドがあれば、人は帰ってくるんじゃないかな。

農業は嫌だけど、精油ならやってもいいってことになるかもしれない。地域の問題を解決し、日高村の人たちの心に灯りを灯すことができればこんなハッピーなことはないなと思っています。

「何かに悩んだり躓いたりした時に、それを乗り越え成功した人が身近にいるのが都会、少ないのが地方、都会は成功のモデルケースが多く、近くの人から学ぶことができる。だったら自分が日高村の成功のモデルケースになりたい」と話す岡村さん。

数々の難題を乗り越え、多くのプロジェクトを成功に導いてきた経験を支えに、「香り」で町に希望の火を灯します。

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【和悠香LABO】
高知FORESTVISION株式会社
(住所)高知県高岡郡日高村本村シテノ木296-1
(営業時間)9:00~17:00

和悠香LABO の香り体験はこちら
https://sei737.wixsite.com/kochi-wayuka
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000223462/

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