サステナブルな旅をしよう! 仁淀川アウトドアセンター 古味 雄也さん

サステナブルな旅をしよう! 仁淀川アウトドアセンター 古味 雄也さん

「サステナブル」という言葉を最近よく耳にするようになりました。一般的には「持続可能な」と訳され、もう少し分かりやすく言うと「ずっと続けていけること」となります。
仁淀川流域の6市町村には、1000年続く土佐和紙文化や、植物学者・牧野富太郎博士が愛した山、もちろん仁淀ブルーを満喫するアクティビティなど、他にもたくさんの体験プランがあります。

そのどれもが自然の恩恵をうけて成り立っているものばかりです。そして、そこには長い時間をかけて育まれた文化や自然を守りながら、魅力を伝え、残そうとしている人たちがいます。旅での出会いや体験を通して、持続可能な未来に少しだけ目を向けてみませんか。

生まれ育った故郷を 観光で活気ある町に

高知県の真ん中を流れる「奇跡の清流」仁淀川。透明度の高い青く澄んだ川はいつしか「仁淀ブルー」と呼ばれ、多くの人を魅了しています。

そんな仁淀川の最上流域を拠点に、カヤックやSUP体験を行っているのが、仁淀川アウトドアセンターの古味 雄也さん。仁淀川の近くで生まれ育ち、大阪でSEとして活躍した後、家業を継ぐためUターンしました。限界集落が増え少しずつ過疎化がすすむ故郷で「観光で町に元気を」と建設会社の社長と観光業の二足の草鞋で奮闘中です。

(古味さん)小さい頃から、山や川が生活の中にありました。11年前、大阪から仁淀川町に戻ってきて、改めてゆっくり高知の自然に触れその美しさに感動したんです。「ここしかない」と思いましたね。

元々木工所だったこの場所を譲ってもらったのを機に、まずクリスタルカヤックを1艇買って令和2年からここでスタートしました。

---------ホームページやインスタグラムも素敵な写真ばかりです

(古味さん)観光は目に見えるもので判断されることが多いです。だから写真には徹底的にこだわっています。この場所にわざわざ来てもらうにはここでしか出来ない体験をして、楽しく帰ってもらうことが一番。

写真とドローン動画は早い段階から無料でプレゼントしていて、さらにお客さんが体験から戻って来ると大きなモニターに動画が流れている。それって嬉しいでしょ。求められているものを仕組み化するのが私の仕事です。

他にも、影響力の大きな人やメディアの方々にうちのことを拡めていただくなど、常に発信し続けることで、一人でも多くの方へ情報が届けばいいなと思っています。

-------美しい自然を守るために取り組んでいることを教えてください

(古味さん)うちが体験のスタート地点にしている場所は、きれいなトイレと手洗い場があり多くの方が利用するため色々な問題もありますが、スタッフには「北風と太陽」の話をいつもするんです。

本当に心に響かせるためには、いかに気持ちよく帰ってもらうかが大事だと思っています。楽しい思いや心地よさを感じた人がゴミを放置することはほとんどありません。

思いやりや豊かな心を育むことを一番大切にしています。

(古味さん)また、2022年からは、高知工科大学、東洋大学と共に、自然の中でアクティビティを体験をした前後で、自然や環境に対する意識が変わるかどうかについての調査を始めています。結果はもう少し先ですが私達の姿勢や対応が、環境に対して影響するということがよりはっきりしてくるのではないかと思います。

他には、地元の環境保全団体主催の大清掃大会イベントに子供達の参加特典としてSUP体験をつけたり、地域の資本をいかすシンポジウムに参加したり…。

色々な人を巻き込みながらやり続けることが大切だと思っています。

(古味さん)このあたりのエリアはアクティビティの後、高知市内に帰ってしまう方がほとんどです。食事や宿泊など、少しでも長く仁淀川町に滞在してもらう工夫が今後必要だと思います。また、一度来てリピートしたいと思ってもらうことも重要ですね。

私は、観光業が地域と人がつながる窓口になれると信じています。AIなど色々便利なものができていますが、お客様とコミュニケーションをとり一緒に美しい自然を共有する、それは人間にしかできないサービスです。

カヤック体験をしたことがきっかけで移住をしてくれる人がいるかもしれません。私達の事業が人と人とをつなぐ架け橋になればと思いながらやっています。

「今ここに住んでいる人たちが30年後もずっと町に誇りをもって暮らすには、やっぱり町が元気でなくちゃけない」

仁淀川町の観光業を引っ張るトップランナーとして日々奮闘する古味さん。「自分自身、20年、30年先もこの町で安心して、ちょっと楽しく、誇りを持って暮らし続けたいと思っています。そのために、今できる目の前のことをひとつずつ取り組んでいきます。その結果、町に活気をもたらすことができたら嬉しく思います」と頼もしい背中に期待がかかります。

-------------------------------------------

【仁淀川アウトドアセンター】
(住所)高知県吾川郡仁淀川町長屋6
(電話)0889-20-9619
(営業時間)8:00~17:00

仁淀川アウトドアセンターでのアクティビティ体験はこちら
https://www.niyodo.jp/
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000208973/

 一覧へ戻る